ほわいと・とべ様 アコーディオンカーテン

木を育てる会社が作る、高齢者住宅に寄り添う設備の提案を

 今回お手伝いさせていただいたのは、新日本建設様が施工された「ケアビレッジ衣山」「ほわいと・とべ」の2つのサービス付き高齢者住宅。宮地電機と長くお付き合いいただいている新日本建設株式会社 設計部の村上敦部長にお話を伺いました。
 昭和58年、愛媛県松山市に創業した新日本建設株式会社様は自社で木を育てることから始め、無垢材を使ったこだわりの自然派住宅を手掛けています。「建物が存在する限り、実施した工事に責任を持つ」という理念のもと、注文住宅、リフォーム、大型木造建築など、安心して暮らせる快適な住まいを提供しています。


左/新日本建設株式会社 設計部長 村上敦 様
右/愛媛住宅営業課 大森淳平

———新日本建設様と当社は、もう20年ほど前からお付き合いいただいているそうですね。ありがとうございます。

村上様 そうですね。大森さんとももう5年のお付き合いになります。

大森 新築住宅では照明・カーテン・エアコンをご用命いただき、お施主様と直接打ち合わせやご提案をさせていただいています。新日本建設様の木の家は、どんなデザインのものでも受け止めてくれます。

村上様 和と洋のテイストを、半々に取り入れるお家が多いですね。窓廻りに関してはローススクリーンやカーテンなど、宮地電機さんのショールームで打合せさせていただくので、わかりやすくイメージしやすいです。

———「木から育てる」というところが御社の家づくりの原点だと思いますが、村上部長はどのような点に留意して設計をしていらっしゃいますか?

村上様 お客様にはそれぞれ建てたい家のイメージがあり、夢があります。そこに寄り添い、こちらから押し付けないことを心掛けています。そうは言っても予算オーバーは困るので、そこはうまく調節しています。

大森 「本体工事とは別に、照明・カーテン・エアコンにこれくらいは必要です」という予算を出してくださっているので、その中でお客様にとって最も良い提案ができるようにと考えています。

———今回は、高齢者向けの2施設のお手伝いをさせていただきました。大森さんが担当者として大変だったことや工夫した点について教えてください。

大森 ケアビレッジ衣山様は、空調設備とカーテンレールと房掛けを納入させていただきましたが、1階廊下の天井高との兼ね合いで、パッケージエアコンが天井に収まらないハプニングがありました。図面ではちゃんと収まるはずだったのですが、現場監督さんから5㎝ほど露出してしまうと聞いてメーカーに問い合わせたところ、アタッチメントの部材があることがわかりました。それも1つではうまくいかず、2つ重ねるという工夫をすることにより違和感なく隠すことができました。

———それはヒヤッとしましたね。

大森 はい。でも、そんな部材があることを知れたので、よい勉強になりました。

大森 ほわいと・とべ様にはカーテンとロールスクリーン、アコーディオンカーテンを納入させていただきました。東側と西側の窓には遮光型のロールスクリーンを、南側の窓にはドレープカーテンを付けました。当初、すべて遮光型のロールスクリーンにしたいというお話でしたが、昼間は適度に外光を感じながら過ごされる方が心にも体にも良いですよと提案させていただきました。

———入居者様のことを第一に考えて建てておられる建物ですから、私たちも健康面に関する事なども学んだ上でご提案することが大事ですね。

大森 もう一つ、ほわいと・とべ様で勉強になったことがあります。食堂のスペースを囲むアコーディオンカーテンの取りつけです。最初はドレープカーテンでいいと言われていましたが、ドレープカーテンでは個室のようには仕切れないと思い提案しました。L字の部分がスムーズに動くよう角度を調整する必要があり、取りつけ部材の拾い出しに苦労しましたが、その結果なめらかに動いてピシッと閉まるように仕上がりました。ノウハウの蓄積ができたので、次回は大丈夫です!

———現場で学ぶことは大事ですね。普段は新日本建設様の住宅への施工にも関わらせていただいているようですが、そこでも学ぶことがあるのでは?

大森 新築の場合、照明・エアコン・カーテンを提案・納入させていただいています。窓廻りに関して言えば吹き抜けに大きな窓がある事例が年に1~2件あるのですが、最近では電動ロールスクリーンを採用される方がいらっしゃいます。経験を積ませていただいたおかげで、その場合の配線やコンセントの位置などを任せていただけるようになりました。エアコンや照明器具と赤外線スピーカーの連動なども増えてきて、リモコン制御も含めずいぶんとお手伝いできるようになりました。

———新日本建設様は、早くからSDGsの考え方に基づいて事業を行っておられるので、ZEHへの取り組みも進んでいます。そこは私たちもスキルを上げていかなくてはいけません。

村上様 当社の家は全棟ZEH仕様です。太陽光パネルを載せるかどうかはお客様にご判断いただいていますが、載せればそのままZEHになります。

大森 そこはぜひ勉強させていただきたいです。

———木を使うことはもちろん、木を育てることにもご尽力しておられる新日本建設様は、まさにSDGsを体現していらっしゃいます。

村上様 コロナ禍前には、森林ツアーや構造見学会などをやっていました。天井板の無垢材は、当社の工場に来ていただいて、実際に材を見て決めていただくこともやっています。木や材料のことを知らずに家を建てる方もいらっしゃいますが、ぜひ当社の木の良さをわかっていただきたいと思います。

———これからの名建築の中に、御社の建物も名を連ねて行かれることでしょう。そこに当社が関われることは大変光栄です。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

新日本建設株式会社

〒791-0054 愛媛県松山市空港通3丁目9番3号

○ インタビュー 宮地電機 / 〇文章 深田美佳 / ○ 写真 釣井泰輔「ツルイスタジオ」・宮地電機 / ○ 取材日 2022.11.14